原料事業部の佐藤陽一部長(博士:生命科学)が、第10回CYTOLOGIA奨励賞を受賞しました。
CYTOLOGIA賞:CYTOLOGIAは、創刊95年を迎えた(1929年創刊)日本初の欧文専門雑誌で国際細胞学会の機関誌です。CYTOLOGIAを発行している公益財団法人・日本メンデル協会は、細胞遺伝学分野ならびに細胞生物学分野の将来を担う研究者を奨励するために、平成26年度(2014)からCYTOLOGIA奨励賞を創設しております。
選考理由:大型海藻の生理生態学的研究と種苗生産など社会実装への貢献
解説(日本メンデル協会による解説より):佐藤陽一博士は、東北大学、理研食品株式会社、理化学研究所、東京大学などにおいて、ワカメやコンブ類など大型海藻の生理生態学的研究に取り組んできました。これらの大型海藻は、食料資源やブルーカーボンとしての重要性が増す一方で、その天然資源および養殖生産量は著しく減少しています。佐藤博士は、ワカメやコンブ類が成長点に物質を蓄積するという生存戦略を明らかにし、世界初の陸上養殖装置を開発することで優良系統の選抜と利用を実現しました。これにより三陸地域や北海道のワカメの単位面積あたり生産量を約1.2倍に押し上げ、現在では約500トンの収穫を得るまでに至っています。こうした研究業績をキトロギアの他にも多数の国際学会誌に論文出版するとともに、生理生態の解明を資源の安定供給に結びつけた実装研究は、国際的にも評判になっております。
受賞記念講演は2024年6月15日に行われます詳しくはこちらから
■ CYTOLOGIAへのこれまでの寄稿です
陸前高田ベースが 国際科学誌「CYTOLOGIA」の表紙を飾りました|理研食品株式会社 (rikenfood.co.jp)
ヒトエグサに関する論文が国際学術雑誌CYTOLOGIAに掲載されました|理研食品株式会社 (rikenfood.co.jp)
(もう1本 : Sato, Y., Hirano, T., Hayashi, Y., Fukunishi, N., Abe, T. and Kawano, S. (2021) Screening for high-growth mutants in sporophytes of Undaria pinnatifida using heavy-ion beam irradiation. Cytologia 86: 291-295(2021) があります)
近年 ゲノム解析 や ゲノム編集 など、ゲノムという言葉を耳にするようになりました。ゲノムとは、遺伝子(gene)と染色体(chromosome)から合成された言葉で、DNAのすべての遺伝情報のことです。ゲノムという言葉が初めて使われたのがCYTOLOGIA誌だそうです(H.Kihara論文)。